「先輩顔赤いですよ。かわいい」


「か、からかわないでよ」


「からかってないです」


そんな真っ直ぐな目で見つめられたら、更に赤くなってしまう。


「はいはい」と私は適当に返し、「松原くんは図書室結構来るの?」と聞いた。


「はい、最近通うようになりました」


「そうなんだぁ、読書に目覚めたとか?」と笑いながら聞く。


「いや、先輩に会うためです」


「へぇ、そうなんだぁ……え?」


今なんて言った?


先輩に会うため?…私に会うため?


「先輩に会うのが目的です」


顔がぽわ〜っと熱くなる。


そんなこと言われたら誰だって赤くなるだろう。


恥ずかしい…けど嬉しい。


「あ、ありがとう」