帝国が支配して数年-

素晴らしい帝国にこの上無いほど素晴らしい知らせが訪れた。

我らがクリス女帝が身籠ったのだ。クリス女帝は行為のできる環境に有らず…つまり、神が宿した子だ。それ以外に考えられない。皆が皆、そう噂する。

帝国民達は喜びに悶えた。夜が明けるまで歌い、踊り、皆で女帝が授かった神からの贈り物…次期帝国の主となる魂を歓迎した。

唯一女帝と繋がりを持っている年老いた召使いは、日々御子様についての情報を一日一回、帝国民へ放送して伝えた。

情報が放送される度に帝国民達はその場に跪き、女帝と御子様へ感謝の祈りを捧げた。

「ああ…我らがクリス女帝よ、無事に御子様の出産を終えることを祈っております…」