美里家パニック




少しさかのぼってひこなの家での朝、


いつになく早起きをしたひこなはカーテンをあけて目一杯背伸びをして日差しに当たっていた


ひこなはひめなより頭が悪いから少し偏差値が低い学校へと入った


サッカーをずっとしているからサッカー部に入ろう、
と思いながら台所へ行き朝食を作って食べていた


昔から入院が多かったひめなに付き添っていつも両親は家に居ないことが多かったからご飯は自分で作れるようになっていた


ひめなは大丈夫だろうか?
ひめなは上手くやれるだろうか?
そんな不安が次々と頭に浮いてくる


その不安を振り切り学校へと家を出た


ひこなもひめなも高校には友達はいない。
だから新しい友達を作らなきゃだけど
ひこなは昔から友達を作るのは上手かったからひこなは自分よりひめなを心配してボーッと歩いていたら


『ガンッ』


…………
………………………


「……っ!!………」


目の前の何かに当たった気がした


その場にしゃがみこんだら誰かが


「……っブッ!
あ…アハハハハハハハハハッ


やべぇ、初めて電信柱にぶつかる人見た
大丈夫か?」


そう言い手を差し伸べてくれた男は笑いながらもひこなをその場に立たせて顔をのぞき込んだ


「フツー、
…そこまで笑うか?」


そう言いいつもの笑顔でそいつの顔を見たら
そいつは真剣な顔で額に手を置いて本気で心配していた


「マジで大丈夫?
笑って悪いな
少しコブできてるぜ?」


なんて言っていたら後ろから


「うわー
ゆーが知らない子いじめてるー」


「こらこら、ゆー。
なんでも暴力はダメだって言っただろ?」


そんな声が聞こえて額の手をどけて大きな声で


「ちげーよ
助けたんだよ
ばーか」