そう言ってポニーテールにした私の髪を指に巻き付けて、クルクル遊ぶ壱樹。二人の会話が濃すぎてついていけない私はただ呆然と、二人の会話を見守るしかなくて。
「でも俺は、好きな女が他の男に奪われるのをただ指をくわえて見てるつもりないよ」
「……それが両思いでも?」
「関係ないね。所詮、恋愛なんて子供のお遊戯だ。永遠なんて有り得ない。奪い取るまでだよ」
「好きな子の幸せ願えないなんて、噂通りの、鬼畜ですね」
「それはどうも」
「スト~~ップ!!」
だんだんヒートアップしてゆく会話に完全に取り残された感満載の私は、その濃すぎる会話に終止符をうつべく声を上げた。不思議そうに私を見る、きょんと壱樹。
「い、壱樹、何か用事があってここに来たんじゃないの?」
「あ。そうそうコレ」
「何?」
「明日の受験票。コレが無いと試験場入れないから、絶対忘れないようにね」
思い出したように規律通り着た制服の内ポケットから受験票を取り出して私に渡す。
…………いよいよか。これで上位を取らないと特待生として英に通うのが厳しくなる。援助をストップされれば膨大な学費。お父さんの為にも、頑張らないと。
