「……いっ、た……」
どれくらい眠っていたんだろう。目が覚めるとモカブラウンの見慣れない天井。痛む頭を抑え起きあがった私は何故か、大きなキングサイズのベッドに寝かされていた。ご丁寧にブランケットまでかけられていてフローラルの香りが安心感を与えてくれる。
ここは何処だろう。
バイト先で倒れて、それから……
「起きたのか?」
ぐるぐる、今の状況を頭をフル回転して考えていると突然、開かれたドアの向こうから現れた人物に目を見開いた。
「……ゆ、雄大……、え、何で……」
「ここ俺の家。過労だとよ」
「……過、労?」
「お前、ちゃんと寝てんのか。兄貴に処方箋出してもらったから、ソレ飲んで休め」
サイドテーブルに置かれた薬と、水の入ったグラス。黒のインナーにグレーのスエットのラフな格好をした雄大はベッドのソバまで来ると中腰で屈み私を見上げた。
さっきのキスシーンを思い出すと自然に視線は雄大の唇を追って、狼狽える。
「ごめんね!すぐ帰るね!」
「あ?ふざけた事抜かすな阿保。飯食って薬飲んでソッコーで寝ろ。フラついた体で帰られて何かあったら後味悪ぃだろが」
「…………」
「聞いてんのか。……んだよ、その目」
キスしたくせに。女の子と楽しそうに遊んでたくせに、エラそう。
