気付けば、自然と頬を伝う涙。
そのまま部屋を飛び出して、隣の空き部屋に逃げ込んだ私は、全身の力が抜けたようにズルズル、その場に座り込む。
……いつぶりだろう。
彼をあんなに近くで見たのは。中学の頃と比べて身長も伸びて男らしく、綺麗な顔はよりいっそう磨きがかかったみたい。変わったのは髪色と、私を見る冷たい瞳だけ。
だけどそれで良い。
恨んで憎んで、忘れてくれればそれで。
「仕事、もどらな……きゃ……」
立ち上がろうとして、視界がグラッと揺れる。そう言えば、最近まともに寝てなかったな、なんてやけに冷静な頭で考えながら、私はそのまま意識を手放した。
「……だから休めって言ったのに」
夢の中で、雄大の香りに包まれて。
