あたしは、ちまたでも有名な泥棒猫だった。

と言ってもそれは昔の話。

だって、あたしは今では盗みなんかやめてまっとうに働いている。

ちょっとしたあたしの昔話はここまでにしておいて、いつもと変わらず学校に行って、帰ったらバイトって生活をしていた。

生活に不自由、不満がないと言ったら嘘になるけど、この生活が嫌いというわけではない。

バイトが終わって家に帰る。

暗くて街灯がポツリポツリとある道を進むと、ぼろ屋がある。

これがあたしの家。人が住めるのかっていうようなボロさをしてる。

「ただいまー。」

家に入ると、青ざめた顔をしたお父さんがいた。

「お父さんどうしたの?」

「また負けた。」

「は?」

これが、あたしのお父さん。お父さんは無類の博打好き。

お父さんは時間とお金があるとすぐにパチンコや競馬に行ってしまう。だから、家はこんなに、、、ね?