冷たい君の裏側に

「ねぇねぇ、未音ちゃん!」

前の席の女の子が話しかけてくれた。

サラサラの長い黒髪で、大人っぽい美人さんだぁ!

「あたし、本城瑠奈。瑠奈って呼んで!」

「うん、あたしは未音でいいよ」

よかった。仲良くなれそう。

「相崎の隣なんだ?」

「あ、うん。…えっ?知り合い?」

「あたし、同じ中学だったんだけどさ。モテるよ、相崎」

「そうなんだ…。カッコいいもんね」

ひとり納得していたら、瑠奈がいきなり言った。

「未音、さっき見とれてたでしょ」

「えっ?や、や、そんなことないよっ」

慌ててそう答えるあたしの返事をよそに、瑠奈は声をひそめて言葉を続けた。

「でも、あたしは苦手。なんか冷たいもん」

「え?」

「話しかけても『へー』とか『あぁ』しか言わないの」

「ふぅん…」


そんなことを話してるうちに、チャイムが鳴った。

教室が一気に騒がしくなって、みんな帰る準備を始める。

あたしも帰ろうとして、スクールバッグを手にした。

「あれ…?」

バックにつけていたはずの、ネコのストラップがない。