「ごめんごめん、佐原さん面白いからつい、ね」




そんな怒るなよ、と滝本くんをなだめる藤田君。




いや、そんなことよりもこの体制をどうにかしてほしいです!!!




そんな私の気持ちを察してくれたのか、藤田君が




「そろそろ離してあげないと、佐原さんも困ってるよ」




と笑って言った。




すると、




「悪い」




と言ってパっと離された手。




う、嬉しかったけどっ、心臓が持たない……!!




熱の集まった頬を手で冷やしていると、午後の授業が始まる予鈴が鳴る。