体育館裏。
角からそっと覗いてみると、案の定そこには滝本くんの姿。
そして。
“ミャー、ミャー”
まだ小さい子猫三匹の姿があった。
やっぱり、パンあげに来てたんだ。
持ってきたパンを小さくちぎって子猫が食べやすいように与えている滝本くん。
入学した翌日、教室のゴミを焼却炉に持っていこうとしていた私は、今みたいに小さくちぎったパンを子猫たちに与えていた滝本くんを見て惹かれていった。
それと、
「……ハハッ、そんなガッツかなくてもたくさんあるっつの」
優しく微笑みながら子猫を撫でる滝本くんに、ノックアウト。

