脱☆年下系男子<番外編Ⅰ>






「ちょ、離してっ!」


「え~っ、嫌だ」


「はあっ!?」



 背中をバンバンと叩くが、ビクともしないその背中。



「ちょっと!誰かに見られたらどうするんですかっ」


「だいじょーぶっ♪」


「なにがですか!」


 どれだけ叩いても、痛いくらい抱きしめる腕に力を入れられるだけ。



「風さんっ……!」


「っ!///」


 そう彼の名前を呼んだ瞬間、彼の腕の力が弱まり、あたしはすぐに彼から離れる。



「あーっ、エラかったぁ」


 胸のドキドキと息の苦しさになんとか解放されたあたしは、息を整えた。



「本当、いきなりなんなんですかっ……」


 そう言いながら彼を見ると、

「…………。」



 彼は口元を腕で隠しながら、そっぽを向いていた。

 その顔は何故か、赤く染まっていて。



「えっ……」

 それを見せられたあたしは、驚きのあまり固まったように動かなくなってしまった。