一瞬、思考が全て停止した。




「………はっ?」

 出た言葉も、それだけだった。



 意味分かんない。

 頭可笑しいんじゃないか、この人。



「いきなりなんなんですか」


「なにって……告白?」


「……お姉ちゃん、この人可笑しい」



 あたしはこのチャラ男を指差しながらお姉ちゃんに言う。



「あー……まあ、三尾先輩はそういう人だから。あたしにもそうだったし」


「お姉ちゃんにも?……うっわぁ」


「なんだよ、その反応」


 お姉ちゃんが〝三尾先輩〟と呼んだチャラ男は、腕を組んだ。




「いいじゃーん、付き合ってよ」


「お断りします。あたし、チャらい人嫌いなんで」


 お姉ちゃんの先輩ってことは、3年生だろう。

 一応敬語は使うけど、キッときつく彼を睨みながらそう言った。



「えーっ!なんでさー」


「そういうのが嫌なんです」