脱☆年下系男子<番外編Ⅰ>






 そ、そんな顔されたら……。

 こっちが、恥ずかしくなってくるじゃんか。




「ど、どうして顔あかっ……」


「うっさい」


 焦りながら話し出したあたしの口を、風さんは手で押さえた。



「っ!」


 そのことに驚いたあたしは、すぐに黙り込む。




「……見ないで、恥ずい」


「そ、そんなこと言われても……」


 風さんはそう言ったけど、こんな珍しい風さんを見ないって方が可笑しいと思う。

 いつも余裕たっぷりの風さんが、そんな顔……。



「あーっ、もう!俺らしくねぇ……」


 なんて言って、頭を抱え込んじゃうし。


 何故か、風さんもそんな自分に驚いているみたいだった。





「風、さっ……」


「それ、やめて」


「えっ?どれ?」



 俯いてあたしと目を合わせずに、風さんはあたしを指差した。


 なんのことか分からなくて聞き返すと、

「呼び方……なんか、」

 風さんは少し言葉を詰まらせた。



 そんな風さんに少し不安を覚えたあたしは、

「な、なんか?」

 と、聞き返した。



 すると、


「なんか、萌える………」