そ、そんな顔されたら……。
こっちが、恥ずかしくなってくるじゃんか。
「ど、どうして顔あかっ……」
「うっさい」
焦りながら話し出したあたしの口を、風さんは手で押さえた。
「っ!」
そのことに驚いたあたしは、すぐに黙り込む。
「……見ないで、恥ずい」
「そ、そんなこと言われても……」
風さんはそう言ったけど、こんな珍しい風さんを見ないって方が可笑しいと思う。
いつも余裕たっぷりの風さんが、そんな顔……。
「あーっ、もう!俺らしくねぇ……」
なんて言って、頭を抱え込んじゃうし。
何故か、風さんもそんな自分に驚いているみたいだった。
「風、さっ……」
「それ、やめて」
「えっ?どれ?」
俯いてあたしと目を合わせずに、風さんはあたしを指差した。
なんのことか分からなくて聞き返すと、
「呼び方……なんか、」
風さんは少し言葉を詰まらせた。
そんな風さんに少し不安を覚えたあたしは、
「な、なんか?」
と、聞き返した。
すると、
「なんか、萌える………」


