「…―ナツが…道路に…飛び込んだ…―」







電話はナツの母からだった。


ナツはあの後一回家に帰ったが、母に“散歩してくる”と告げると、何も持たずに出て行ったらしい…――





私は愕然とする兄を連れて急いで病院へ向かった―…



ナツ…



辛かったんだ…



私はナツは強い子だと勝手に思い込んでた…――



ナツは弱いんだね。。




何にも気付かなくてごめんね…




神様……






ナツを助けて下さい…







私と兄は急いで病院へ向かった。

病院へ着くと受け付けで確認し、ナツの病室まで向かった―…



病室の前にはナツの母が座っていた。



私達は近づいてくと、ナツの母は目を真っ赤に腫らし静かに話だした―…

「来てくれてありがとう。…あの子‥お腹に赤ちゃんが…居たみたい…でも‥助からなかった…」



隣に居た兄は驚いただろう…


『…ナツは?』




「…命に別状はないって…」


「大丈夫なんですよね?」

今まで黙っていた兄が言った。