何故私はここにいるんだろう…

遡る事1時間前

私はある場所で目を覚ました。

ここは何処?

見た所も無いところで私は意識が正常になった。どこに行けばいいかもわからず、何をすればいいかも分からず、私は歩き続けた。

何か奥に人影が見える。

やった!!人が居る!!

喜んだのも束の間…そこにはすごく困惑した顔の少年や少女達がいた…

年齢は私と同じくらいだろう。だが、私には不安なんて無かった。

何故ならあんな最悪な日々から抜けれるのだから…

「君は誰…?」

声をかけてきた男はあまりがたいのいい男ではなくひょろりとした今にもポキっとポッキーみたいに折れそうな男だった

「貴方は…?」

「僕の名前は真琴徹【まことてつ】」

「私の名前は…愛音。阪田愛音【さかたあお】。」

「貴方は愛音さんというのね…」

「貴方は誰なの…?」

「西條朱依【さいじょうあい】と申します。こちらは双子の弟の秦神【しんじ】と申します。よろしくお願い致しますわ。」

お硬い方だな。あまり好みではない。世の中は硬すぎる奴と甘すぎる奴がわんさかいる。だが。どちらも私にとっては嫌いだ。この世の中自体がな。中間の奴なんてあまりいない。それが現状だからか…。

「お前…誰だ…?」

「人に名前を聞くときは自分からと親に習わなかったか?」

「チッ。俺の名前は千。神樂千【かぐらゆき】だ。それでお前の名は…?」

「阪田愛音だ。」

「愛音ーーーーーーーーー!!!!!」

大きな声で私の名前を呼ぶ彼女…

「ウェェーーン!!!知らない人ばっかだし!!まずここ自体知らないし!!愛音がいてよかったよぉぉ!!!」

「珠鈴!!!なんであんたまで!!!」

「おい。いきなり大きな声を出してこいつの名前を呼んで走ってきたお前。誰だ。俺の名前は千だ。答えろ。」

ビクッッ!!

「おい…さっきの復習として自分から先に名乗ったのは良い…そこは褒めてやる…だが…私の幼馴染を怖がらせるとはいい度胸してるな…?」

「愛音!!やめて!!大丈夫だから!!!いつものことだから!!!殺気をしまって!!!」

「チッ。珠鈴が言うなら…。良いか?こいつは人見知りで知らない奴にいきなり話けられるとか苦手なんだ。それとそんな低い声で怖い顔で二度と話しかけるな。次は…無い。」

「…ありがとね。愛音。」

「いや私の事は気にするな。んー。そうだな。知らない奴らにだが自己紹介出来るか?珠鈴?」

「うん!!大丈夫!!」

「そっ…か。」

「えっと…あたしの名前は藤野珠鈴【とうのりんり】です!愛音の幼馴染で親友です!!よろしくお願いします!!」

「よく頑張ったな…(ニコッ」

「エヘヘッ…/////」

微笑ましい2人の可愛らしい少女の会話を見ていた時…皆は思った。大切な存在なのだろう。お互いに。そして…可愛い…と。

「あ、そういえば!愛音!!さっきこの子に出会ったんだけど…」

「この子って??」

「ほら出ておいで?このお姉ちゃんは私の親友だから大丈夫だよ?」

「本当?」

珠鈴の背中の後ろから出てきたのは少々小柄の男の子だった

「君の名前は何と言うの?」

「ぼ…僕の名前は天月曄【あまつきあき】といいます。よ…よろしくお願いします…」

「この子あたしと同じで人見知りなんだよね…」

「そっか…曄君だよね?私の名前は愛音っていうの。よろしくね?」

ふわりと花のような優しい表情に皆が見惚れただろう。愛音はあまり笑わない。でも、少年に物凄く優しい微笑みを向けた。

(似てる…珠鈴と…)

「ありがと愛音。(私達と同じだからね…」

「お前らもだったのか…」

「皐兄!!!」

「皐さん!!!」

「誰だ?」

「自己紹介が遅れたね?俺は愛音の兄の阪田皐平【さかたこうへい】というんだ。よろしく?」

「俺もよろしくお願いします!古雅士朔【こがしさく】といいます!隣のコイツはルームメートの斉藤弥來【さいとうみこ】といいます!」

「僕は朔の弟の古雅士郁永【こがしいくと】です。」

「私は古雅士家長女の古雅士美輝【こがしみき】!!どーぞよろしく!!」


数多くある自己紹介の中、愛音はどことなく…悲しい顔をしていた…