いつもより早いペースでしばらく歩いた。 男達の姿が見えなくなったのを確認すると、画面が着信になっていることに気づく。 はぁはぁ、と息を整え電話しようとタップする直前タイミングよく電話がかかってきた。 "もしもし" "今ちょうどかけようとしてた" "奈々、今どこだ?" "今から行く" "おう" 会話らしい会話もなく電話はすぐに切れた。 今日も、だめだった。 どこまで遠くにいったら、私の欲しいものは見つかるのかな。 顔を上げれば真っ暗な空が広がっていた。 今日も私は温もりを、求める。