「なぁ、お前何歳?」


男の眉間には深い皺が寄っていた。



あ、やばい…

ここから、離れないと。


咄嗟に私の勘がそう告げる。




「おーい!」


男の後ろからまた別の人がこちらに走ってくるのが見えた。




『19』

「ふーん」


男から聞いてきたくせに、適当な返事。


目を細めたその瞳は何か、怪しんでいるようにも見える。



「綺麗な子だね」


あとから来たこの男、相当お酒臭い。


「…お前、本当に19か」

「ねえねえ今からどこ行くの?」

「お前は黙ってろ」


そう言って、酔っ払った男は更に近づいてくる。