…ウザイ。と思いながらも、着々と準備を進める私はきっと、マゾなのかもしれない。
スピーカーから聴こえる奴の愚痴を聞き流しながら、私は準備を終えた。

薬が効いたのか、時間のおかげなのか…頭痛は病んでいた。

「…準備できた。」

それだけ奴に告げた私は、家を出ようと玄関に向かった。

「おせぇよ、お前。もぉついた。」

奴の口から良く分からない言葉が聴こえると、スピーカーからは機会音が流れた。
…切られた。なんかんだあいつ。
私は頭の中にハテナが泳いだまま、靴を履こうと…

ガチャ

「…え?」

「おせぇよ、翼。」

…奴が私の家に来てしまった。