「翼ちゃん、お金は私の方でもなんとかしてみるから陸くんの為にも検査してくれないかな?」
ずっと黙っていた先生が私に向かってそう笑いかけてくれた。
…ヒトリジャナイ。
前からずっとずっとわかってたんだけどな、なんか知らない陸が増えてから…独りぼっちみたいだった。
だけど陸は…そんなことないんだよね?
ちょっと変わっただけで優しさも暖かさも変わってないんだよね?
「はい…おねがいします。」
陸のために…うん、陸のために。
ちゃんとしよう。
「陸のために検査する。」
笑いながら私は陸に向けてそう言った。
そんな私を見て、陸は子供の頃のような無邪気な笑顔を私にくれた。
「ほんとに仲いいわね~。これで付き合ってないのが不思議だわっ」
そんなわたし達をみて先生が笑いながらそう言った。
「やめろって、ほんとに。」
照れくさそうに言う陸が何故か可愛く見えた。
「そんじゃー、早速検査の手続きとかあるから私は戻るわね!!」
先生は私の頭をくしゃくしゃっと撫でて綺麗な笑顔を向けて病室を出ていった。