「別に、先生と話してただけ。」
不機嫌な私に、不機嫌な陸。あー…いつもの感じだ。優しくない陸、最近の陸…私の知らない陸。
「陸、私大丈夫だから検査とか必要ない。こんなに元気なんだから。」
私は強気で陸に言葉を放った。いつもならここで笑顔を付けるんだけど…今の陸には通用しないから、真顔で私のほんきを見せてやった。
「お前、金のこと心配してんだろ」
陸は私の言葉も気持ちも全て無視して言葉と視線を私に送った。
なんだ、分かってんじゃん。なら最初からそんな風に怒んなくていいじゃん。
「当たり前。お金も学校もバイトも…私には必要なの。こんな風に使いたくない、時間もお金も無断。」
私は淡々と陸に向かって言葉を吐く。冷たく低く…きっと今の私の目は冷たいだろうなぁ…。なんて思いながら陸の目を見る。
あー…コイツは怒ってるよ、目が死んでる。怖いなぁ。もぉ…。
「私、なにか間違ってる?陸には心配もかけたし迷惑もかけたよね、ごめんね。んで、ありがとう。」
そう言って私は陸に笑顔を向ける。
昔から陸は心配症だから、心配してくれてるんだよね?体の弱い私のこと。でもね、大丈夫だよ陸。私はそんなに弱くないの。独りで生きていくって決めてるの。
だから…
「金なら心配すんな。俺が出してるから。」
私の思いは陸の意外すぎる言葉で打ち砕かれた。
「は?何言ってんの。だったら尚更…」
「お前さ、そうやって無理に笑うのいい加減やめろ。俺には通じねえぞ?どんだけ一緒に居るんだよお前の隣に。ちょっとは俺の事見ろよ。ちょっとは俺のこと考えろ。」
なにいってんの陸。見てるじゃん、考えてるじゃん、だからお金なんて出して欲しくないんじゃん…
「心配させろよ。独りじゃねぇじゃんお前は。」

