「なにを言ってるの?!検査をしなきゃ、翼ちゃん…」

戸惑う先生なんて関係なかった。
私は一人で暮らしてるんだ。頼れる大人なんていない。だいたい、今の入院費だって払えないかもしれないのに…
検査なんてできるわけない。

「私、今すぐに退院させてもらえませんか?」

なんの迷いもなく、先生に真っ直ぐにそう言った。私はベットから出て、先生に頭を下げようとしたとき…

ガラガラッ

「おい、翼なにやってんだ。」


奴が帰ってきてしまった。