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せっかくの時間を無駄にしないように私はすぐに先生に視線を向け、質問を始めた。

｢あの、私って…なんで点滴してるんですか？私どっか悪いんですか？倒れた日、立てないくらいの頭痛がしたんですけど、それと関係してるんですか？｣

聞きたいことなんてたくさんある。まだまだあるけど、一気に聞いても私が混乱するだけだから、少しずつ聞いてくことにした私は、少し不安を抱きながら1番聞きたいことを口にした。

そんな私の不安を察したのか、先生はまた優しい笑顔を向けながら私の突然の質問に答えてくれた。

｢混乱するわよね。ごめんね？こういうことは私から話さなきゃいけないのに、翼ちゃんに言わせちゃって。まず、その点滴は眠ってるあいだの栄養補給みたいなものだから、安心して？あと、翼ちゃんはずっと眠っていたからまだ病名とかは分からない。だから、その頭痛が何なのかとかはこれから検査させてもらうわ。長い間意識を失うって、当然何だかの原因があるから、それも調べなきゃだから。｣

先生の優しくて分かり易い説明に、私の不安は少しだけ和らいでいた。
だけど、その反面｢検査｣というワードに戸惑っていた。

｢検査って何するんですか？｣

少し焦りながら私は先生に聞いた。

｢ＭＲＩっていう脳を調べる検査や、採血、レントゲン…。身体のすみずみを一度調べるつもりなんだけど、翼ちゃんは大丈夫？｣

…そんなに検査したらお金かかるよね。
施設をでて、バイトしながら独り暮らししてる私にそんなお金あるわけない。

｢すみません、私検査はしません。｣

私はキッパリと先生に向かってそう言った。