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すると先生は少しずつ笑いを抑えながら私へ視線を向けてくれた。

｢ごめんね?翼ちゃんと陸くん仲いいからなんか、可愛くって｣

柔らかい笑顔を向けながらそんなことを言う先生にやっぱり少しだけ苛立ちを覚えながら私は視線を陸へと移し、陸に向けて言葉を吐いた。

｢陸、喉乾いたから飲み物買ってきてもらっていい？私まだここから出るのは身体辛いみたいだから。｣

喉なんて乾いてないけど、先生に聞きたいことがあったから私は陸へ嘘のお願いをした。

｢分かった、水でいいよな？｣

陸はなにも気にしていないようで、病人の私の言う事をすんなり聞いてくれた。
…うん、さっきから思ってたけどやっぱり陸は陸なんだ。私の最後の記憶は間違ってないんだ。よかった。

陸は財布と煙草を持つと、｢ついでに一服してくる。｣と言いながら病室から出ていった。
ヘビースモーカーの陸のことだから、一本じゃ足りないだろうな。なんて思いながら、思ったより時間が長く取れそうなことに私は安心した。