少しの間私達は何を話すでもなく、ただ見つめ合い…
陸が軽い溜息を吐いたことで、ソレは終わった。
「翼、お前さ今日体調わりーだろ?」
突然陸から吐かれた言葉はあまりにも意外で突然で、私はびっくりしてしまった。
…わけわかんねーわ、コイツ。
さっきの沈黙といい、手といい、なにがしてーんだよ。
確かに頭いてーけどさ。ほんとに突然すぎだろ。
なんて、イライラが収まってなかった私はただただ、意味のわからない陸にイラついていた。
「おい、どーなんだよ。」
その私のイライラはその言葉で爆発した。
「どーなんだってなにがだよ。」
びっくりするくらい低い声でそう言った私は、ほんとにほんとにとまらなくなった。
「さっきからいみわかんねーんだよ、おめーわ。」
「あ?」
「あ?じゃねーよ。だいたいさ、なんでそんなに偉そうなんだよ。昔はあんなに優しかったのに、なんなんだよいきなり突き放してさ。まじでおめー何様だって。陸様?は?笑わすな。」
「んなこといってねーだろ。てめー、上等じゃねーか。」
「は?なにが上等じゃ。てめー、そんなこと言える立場なの?え?確かに、私は今日とてつもなく頭痛いよ?だから、寝坊だってしたし準備にだって時間かかったんだよ。なのにてめーが焦らすようなことばっか言うから、痛い頭も治んねーしイライラして余計いてーんだよ。なのに、なに優しい言葉今更かけてくれてんの?あー、もぉまじうぜー。」
…やべっ、止まんない。ぜったい殴られる。
けど、本心いってなにがわるいんだっつーの。
なんて、自分の中で自分と戦っていると、いきなり私の視界は真っ暗になり…温かい何かに包まれた。