ヤバイ。と思った瞬間、離れていた陸が私の目の前に現れた。

「なにが?」

冷たく吐き出されたその言葉に私は凍りついた。
…あぁ、昔の温かい陸はもぅ居ないんだ。

そんなふうに思いながら陸を見上げた。
陸の目は冷たかった。物凄く冷たかった。
そんな目を見てしまった私は、さっき感じたソレを実感し、どうしようもなく寂しくて寂しくて、腹が立った。

「今の陸がウザイ」

腹が立った私をとめられるのは、昔から決まっている。
私自身でもなく、施設の先生でもなく、学校の先生でもなく、友達でもない…
温かい陸だけー…