「山本くんはさ、さっきの会話聞いた?」
「あ、少しだけ」
「あれが本当の真尋ちゃんの姿だったのかな?私たちに向けてる笑顔も言葉も全部嘘なのかな?」
佐藤は佐倉と1番仲がいいと俺は思う
だから仲いい人が全部演じてたって知ったらショックだよな…
「多分佐倉は心がねぇんだよ。多分それくらい辛いことがあったんだと思う。だからさ!俺らで佐倉を助けようぜ!」
「え?」
「佐倉は人を信じられなくなってるんだと思う」
「え?」
「前に聞いたことがあるんだ」
俺は裏庭で佐倉を見た時、聞いた
佐倉が千葉とぶつかる前に独り言を言っていたのを
「どうせすぐ捨てるくせに。どうせすぐ裏切るくせに告白なんてしてんじゃねーよ。って言ってたんだ。だからさ!俺らで裏切らない人もいるって教えてやろうぜ!」
「うん!私やる!でもどうして?山本くん真尋ちゃんとそんなに仲良くないよね?」
「俺もさ中学の頃はあんまり人と関わんないようにして、表でだけいい子ぶってたんだ。でもある人と出会って、そいつが俺を変えてくれたんだ。そのお陰で今すごく楽しいんだ。だからあいつにもそうなってほしいなって」
「そっか…真尋ちゃん清楚で可愛いもんね…そりゃ頑張るよね…」
「え?なんて?」
佐藤は小さい声で何か言っていたけど聞こえなかった
「ん?なんでもないよ。」