裏通りを抜けて街の表側にあたるところに出た。 夜の街を一人で歩く。 ただひたすらに。俯いて。 たくさんの人通りのなかでふと懐かしいような香りがした。 …? 昔も何度かここを通っているからかな。 まあいいや。 そのままあたしは気にせず歩き続ける。 そしてまたあの家に帰るんだ。