ジリリリリリ〜…
『恋々奈〜!起きなさい!!』
母の怒り声で私は重い瞼を開ける。
『んーーーー!はぁ…』
『恋々奈…『もーハイハイハイわかったってばーー!起きてる!』
朝からなんでこんな大声ださせるのよ〜?(怒)
と心の中で思いながら、たいして長くない階段を降りていく私。
山岸 恋々奈《やまぎし ここな》
中学2年生。
『恋々奈ー!朝ご飯はー?』
はぁ。もうそんな時間ないのに!
わかってよ!
うっさいなー!
『いらなーい。いってきまーす』
心の中では怒ってるのに能天気に返事をして、私は学校に向かった。
ガチャッ…バフッ
『おゎっ!』『おっっと!』
私はなにか柔らかいものに当たった。
私の短い叫び声と同時に聞こえた声。
私の大好きな声。
『びっくった〜。おはよ。恋々奈』
何?びっくったって(笑)
と笑いそうになる。
『私も。おはよ。泰ちゃん。』
岩原 泰成《いわはら たいせい》
お隣さんで親同士が仲良くて小さい頃からずっと一緒にいた、幼馴染み。
そして、私の大切な初恋の人。
まだ気持ちは伝えてないけど、伝えたいなぁ。とは、思っている。
『あぁー、泰ちゃん♡いつもお迎えありがとうねぇ。よろしくねぇ。』
と、うちの母。さっきの怒り声はどこへいったのやら…
『あ、はい。大丈夫ですよ^^こいつ危なっかしいですもんね〜(笑)』
それどーゆー意味よ!(^ω^#)
私は泰ちゃんを睨んでやった。
『おいおい睨むなよ〜』
『フフッ2人とも仲良いわね〜(´*−∀−)早く行ってらっしゃい。』
『ん。行ってきます。』
私は、母にそれだけいうと泰ちゃんを置いて歩いた。
でも、すぐに追いかけてきた。
『恋々奈ーーー!おい!ひとりで行くなよ!!寂しいだろ?』
…//
もー。
そういうとこがだめなの。
なんでそんな素直なの?
こっちが照れる。
ねぇ?泰ちゃん。私はあなたに気持ちを伝えてもいいですか?
あなたは私と同じ気持ちですか?
なんて。叶わない夢をみる。毎日。
そんな、平凡な日々が幕を閉じるなんて思いもしなかったー…