だけど、俺自身の闇を、悠に見せたくなかった。 俺の中の何かが、その気持ちを作り出してるんだ。 「朱音ってさ~」 急にあっけらかんとした声を出す悠にびっくりして肩が揺れる。 「好きな人とかいねぇの?」 悠からしたらほんの少し、空気をどうにかしようとして出した話題だったのかもしれない。 だけど、その話題は――――――……