君がくれた世界

「うんうん、俺、その顔が好き」
思ったことをそのまま口にする。
「――!!」
「芦田、舛里が倒れてしまうからやめて」
真っ赤になった花月の顔を戸山が下敷きで仰いでいた。
「え、何が?」
俺、なんかしたっけ?

花月の家に押し掛けてから一ヶ月。
花月は沢山笑うようになった。
もう、悲しい顔はしない。
儚い笑顔もない。

でも、もしあの時、俺があの花月の顔を見なければ、今の環境はなかったと思う。
なんていうのは、言いすぎだろうか。

この前も、久しぶりに3人でお墓参りに行った、ってとても喜んでいた。
そういう報告聞いていると、聞いているこっちまで嬉しくなる。


よかったな、花月――