あれから早くも一ヶ月――

「花月、最近どうだ?」
花月と戸山と下校中。
俺は隣を歩いている花月に声をかけた。
本当に嘘みたいだけど、花月と付き合っている。

あの日以来、花月は学校を休むことはなくなった。
曇った顔も見かけない。
実に快晴。
戸山だってそう言っているから間違いない。

「んー、来週、家族で出かける予定!」
顔を覆いながら応えるところをみると、照れているのかもしれない。
「そっか、よかったな」
「よかったね、舛里」
戸山もとても嬉しそうだ。

「2人のおかげだよ。お母さんも、お父さんも、芦田と優に感謝してた」
「いや、私は芦田に便乗しただけだし……。本当に感謝するべきなのは、芦田にだと思うな」
そう言って俺を指差す。
戸山とも大分打ち解けてきた。
「照れるな~」
大げさに照れるそぶりをした俺に花月が笑う。
「ホント、ありがとう」
本当に晴れ渡るような笑顔だった。