君がくれた世界

お父さんは、私が変わったの、私のせいだっていうんだ。
自分の事は棚に上げて?

どこにいるよりも、お姉ちゃん達のとこの方が、やっぱりいいよ。
お姉ちゃんや里玖がいるほうが絶対にいい。
お母さんやお父さんよりも分かってくれる。安心できる。

ここは嫌。
嫌い。
出て行きたい。
出て行きた……、そうだよ。
出ていけられる。
何回だって試そうとしたじゃないか。

「……此処は嫌い」
部屋で一人呟く。
すっかり涙の引いた私はソファから体を起こす。

「お父さんも、お母さんも、嫌い」
部屋を出て階段を下りる。
少し頭が重い。けど気にしない。

「舛里……?」
襖から顔を覗かせるお母さんには気付かない。
和室を横切りまっすぐリビングへ向かう。

「こんなとこなくなっちゃえ」
……違う。
「此処じゃなくて、私がいなくなればいい」

私は台所に向かうと、置かれていた包丁を手に取った。

「舛里! 何してるの!」

私の異変に気付いたお母さんが和室から飛び出してきた。
その声を聴いたお父さんもリビングへ降りてくる。
「舛里、何してるんだ! やめなさい!」

……いまさら、お母さんやお父さんに言われたって。