君がくれた世界

「家族が、昔みたいになるかもしれないだろ?」
はっとした顔で俺を見上げる。
もう期待していなかったのだろう。

「俺は、花月が好きだ。だから、悲しい顔して欲しくない、本当に笑って欲しい……。だから……」
好きだ、って言葉にするだけで鼓動が早くなる。
手が汗ばんでくる。
でも、今なら伝えていい、今、伝えるべきだと思った。
家族と仲良くなって、本当に笑い続けてくれる花月でいて欲しい。
っていう俺の勝手な希望。
言葉を詰まらせる花月。
当たり前だよな……。
少しの沈黙の後、口を開く花月。

「……。ありがとう。私も、芦田好きだよ」

耳を疑う。
「俺はちゃんとした意味で言ってるんだけど」
友達として、じゃない。
「わ、私だって……」
俯く花月。
「……え……?」
……なんて言った?

「正直、芦田のおかげで学校楽しくなったし、学校行くの楽しみになった。優と同じくらい大事な存在。これって、好きじゃないのかな?」
この好きは違う? 花月が問いかける。

「好きってことでしょ」
いつの間にか戸山が立っていた。
「戸山……」