小学校の卒業式、両親は来てくれたものの、お父さん、お母さん同士が話をすることは全く無かった。
中学校の入学式も同様。

中学校に入学して半年、とうとうお父さんの姿をあまり見なくなった。
いや、お父さんが部屋にこもってしまうようになった。
会うのは週に2,3回。
同じ家に住んでいるのに。
仕事にはちゃんと行っている。
でも、家にいるときは大方部屋にいるようになった。

月日は流れ、やがて高校2年生になった。
時の流れが、私の心を癒してくれることは無かった。
何も変わらない。
……――もう、嫌だ。

私は立ち入り禁止の屋上へ進入した。
空にはいくつもの星が散らばっている。

フェインスを乗り越える。
ライトアップされた街を見下ろす。

お姉ちゃん、里玖、帰ってきてよ……。
いや、会いに行くよ――

何の躊躇いもない。
私は飛び降りた。