「舛里……。私に出来ること、あるなら、なんでもするから……」
里玖の葬式後、学校に行った私に優が掛けてくれた言葉。

純粋に、正直に、嬉しかった。
心の底から嬉しかった。

他のみんなや、先生なんかは、「大丈夫?」なんて言葉ばっかり。

大丈夫な訳がない。
でも、そんなこと言ったって、周りの人にどうこうできるわけがない。
これは、私の家の問題で、私の心の問題だから。

学校に行って、優に言葉をかけられたとき、優にだけは、本音を全てぶつけられる、そんな気がした。

その日の夜は、優の家に泊まらせてもらった。
気を遣ってくれたのかもしれない。優が誘ってくれた。
その誘いに私は素直にうなずいた。
家にいたくなかった。
また1人分の声がなくなったあの寂しい家にいられる勇気はなかった。

お姉ちゃんがいなくなってさびしい。
里玖までいなくなってもう嫌だ。
噓をつかれた、家族なのに。

私の身に起こったことはこれだけじゃ済まなかった。