私はたった1年で、大好きな姉弟を、お姉ちゃんを、里玖を失った。

お母さんと、お父さんが、もし噓をつかなかったら。

もし、お姉ちゃんがあの時、噓をつかなかったら、私はもっと、綺麗な別れ方が出来たかもしれない。
そもそも、綺麗な別れ方ってなんだろうか?
どういう別れ方なら満足できただろうか?
きっと、どういう別れ方だったって満足なんてしない。

でももし、噓をつかれていなかったら、私はあんなにも衝撃的な現実を突きつけられることは、なかったのかもしれない。

家族なのに、噓をついた。
家族なのに、噓をつかれた。
家族にまで噓をつかれるって、私はどんな存在?

――今思えば、お母さん達は私を傷つけたくなかったのかもしれない。

だけど、あの頃の私にとっては、それはとても悲しいことだった。
単に、教えてもらえないことが苦痛だった。

――そんなのなら、私は誰も信じない。
あの頃の私はそう誓った。