君がくれた世界

お姉ちゃんが居なくなって1年。
いなくなってすぐの家の中はとても寂しくて悲しくて。
家の中が真っ暗で、静寂に包まれていた。
でも、だんだんと、家の中に少しずつ明るさが戻ってきた。

私も6年生に進級、里玖もサッカーの活動がますます忙しくなっていた。
その年の秋、また、悲劇は起きたんだ。

里玖のサッカーの試合の日。
私は一試合だけ見て、用事があったので先に帰っていた。

私は先に会場を後にすると、もうすぐ開催される運動会について、学校で打ち合わせや準備をしていた。
「花月さーんっ!!」
入場ゲートを作成していた私に、先生が息を切らしながら走ってきた。
「……なんですか?」
運動会関係のことだろうか、私はそう思っていた。
「お父さんから電話よ」
「あ、はい。ありがとうございます」
お父さん、と言う予想外の言葉に、私は一瞬戸惑う。

私は教室を後にして、職員室に向かった。
職員室に行くと、電話に出てくれていた先生が私に受話器を渡してくれた。
「?? お父さん? どうしたの? 試合終わったの??」
のんきな声で話しかける私。


「……舛里、今すぐ病院に来てくれないか?」


ドクン。
病院、とういう単語に大きく跳ね上がる心臓。
よみがえるお姉ちゃんとの思い出。
お姉ちゃんのお葬式。

「ど、どうしたの?」
なんとかして平然を装う私。
「事情は後で話す。病院の待合室で待ってるからな」
お父さんは一方的に要件を告げると、電話を切ってしまった。