「定期健診じゃないよね?」
私の台詞に、言葉を詰まらせて黙り込むお母さん。
やがて、諦めたように息を吐くと、お母さんは私の肩に手を置いた。
「あのね、お姉ちゃん、学校で倒れたらしいの。だからね、少し様子見てくるだけ。里玖は、もうすぐサッカー終わると思うから、それまで一人で大丈夫よね?」
頭が真っ白になった。
「お姉ちゃんが……?」
いつも元気で、優しくて、毎日一緒に遊んでくれて……。
昨日だって、私と一緒におままごとをしてくれた。
……どうして?
「そう。一人で留守番お願いね?」
お母さんはそういい残すと、かばんの中身を確認してすぐ家を飛び出してしまった。
私は玄関をただ呆然と見つめることしかできなかった。
私もついていきたかった。
だけど、里玖が帰って来た時、一人になるのは駄目だからといって、私は留守番することになった。
お母さんが出て行って、30分ぐらいしてからだと思う。里玖が帰ってくると同時に、お父さんも仕事から戻ってきて、私達3人は病院に向かった。
「――お姉ちゃん、大丈夫?!」
私はお姉ちゃんの名前が書かれたプレートを見つけるとその部屋に飛び込んだ。
「あ、舛里、里玖。来たんだ」
お姉ちゃんはいつもと代わらぬ笑顔で、私達を迎えてくれた。
「ねーちゃん、病気……?」
里玖が不安気に尋ねると、お姉ちゃんは里玖の頭を撫でた。
「大丈夫だよ。ただの貧血、貧血。すぐ、家に帰るよ」
そう言って、いつも通りの笑顔で笑うお姉ちゃん。
その笑顔に私は安心しきっていた。
「早く、帰ってきてね!」
その後、私と里玖はまだ夕食を食べていなかったので、お父さんと先に帰った。
「お姉ちゃん、大丈夫だよね?」
今日の夜ご飯は、お父さんが気を利かせてくれて、私と里玖の大好物のハンバーグにしてくれた。
だけど全然箸が進まない……。
「大丈夫だよ。舛里は姉ちゃんが好きだなぁ」
お父さんが笑顔で答えてくれる。
本当は自分だって心配で仕方なかったと思うのに。
その日は本当に気楽だった。
私の台詞に、言葉を詰まらせて黙り込むお母さん。
やがて、諦めたように息を吐くと、お母さんは私の肩に手を置いた。
「あのね、お姉ちゃん、学校で倒れたらしいの。だからね、少し様子見てくるだけ。里玖は、もうすぐサッカー終わると思うから、それまで一人で大丈夫よね?」
頭が真っ白になった。
「お姉ちゃんが……?」
いつも元気で、優しくて、毎日一緒に遊んでくれて……。
昨日だって、私と一緒におままごとをしてくれた。
……どうして?
「そう。一人で留守番お願いね?」
お母さんはそういい残すと、かばんの中身を確認してすぐ家を飛び出してしまった。
私は玄関をただ呆然と見つめることしかできなかった。
私もついていきたかった。
だけど、里玖が帰って来た時、一人になるのは駄目だからといって、私は留守番することになった。
お母さんが出て行って、30分ぐらいしてからだと思う。里玖が帰ってくると同時に、お父さんも仕事から戻ってきて、私達3人は病院に向かった。
「――お姉ちゃん、大丈夫?!」
私はお姉ちゃんの名前が書かれたプレートを見つけるとその部屋に飛び込んだ。
「あ、舛里、里玖。来たんだ」
お姉ちゃんはいつもと代わらぬ笑顔で、私達を迎えてくれた。
「ねーちゃん、病気……?」
里玖が不安気に尋ねると、お姉ちゃんは里玖の頭を撫でた。
「大丈夫だよ。ただの貧血、貧血。すぐ、家に帰るよ」
そう言って、いつも通りの笑顔で笑うお姉ちゃん。
その笑顔に私は安心しきっていた。
「早く、帰ってきてね!」
その後、私と里玖はまだ夕食を食べていなかったので、お父さんと先に帰った。
「お姉ちゃん、大丈夫だよね?」
今日の夜ご飯は、お父さんが気を利かせてくれて、私と里玖の大好物のハンバーグにしてくれた。
だけど全然箸が進まない……。
「大丈夫だよ。舛里は姉ちゃんが好きだなぁ」
お父さんが笑顔で答えてくれる。
本当は自分だって心配で仕方なかったと思うのに。
その日は本当に気楽だった。


