――翌日。
「なあ、花月――?」
朝、登校してきたばかりの花月に早速声をかけてみた。
「なに? えっと、芦田……?」
突然関わりのない奴から話しかけられたら誰だって驚く。
花月は不思議そうな顔で俺を見てきた。
「そう、芦田光」
「あぁ、昨日こけてた……。」
思い出した、そういう感じだった。
「バカだよね」
「……。」
花月の基本はコレだよな。うん。
いかにも馬鹿にするような言い方だった。
でもこれは挑発しているとかそういうのじゃなくて、ただ単にからかっているだけなので別に腹が立ったりはしない。
昨日のはやっぱ幻覚だったのか……?
いやいや、それを知る為に仲良くなるんじゃねーかっ!
「花月ってどんなやつ?」
単刀直入すぎたかもしれない……。
「は?! え、なにそれ。私に聞く……?」
予想外の言葉に花月は言葉に詰まっていた。
そして言い辛そうに続けた。
「えっと……。こういうの自分で言うの嫌なんだけど……。明るい性格、優しい、面白い、ってみんなは言ってくれるよ。」
「へー。」
周りがそう言うのは納得だな。でも、やっぱりほんとに明るいだけなら絶対、花月は昨日あの場所で俺を馬鹿にしたと思うんだ。
俺がそう考えていると花月が言葉を続けた。
「でもさ、ホントはそうじゃないんだけどなぁ……。」
そう言って花月は参ったように、はははと笑った。
「でも、みんなからそう思われてるってすごいんじゃない?」
「そうなのかな。でも、ホントの私じゃない。」
少し表情を曇らせた。
「じゃあ、ホントの花月は?」
「ホントの私は、弱い。それだけ。」
花月は俯いたまま続ける。
「弱い……?」
「そ。強くなんかない。」
「……。」
花月は、無理して笑っているのか?
いや、でもあの笑いに曇りはないように俺には見える。でも、俺にはそう見えるだけで、それだけ演技力があるってことか?
昨日の儚い笑顔と、花月が弱いって話、なにか接点あるのかな…?
絶対接点あると思う。
「……なんで、そんなマイナスなの?」
そうだ。なんでそんなにマイナス思考なんだろうか。
あれだけ他人評価もいいのに……。
それとも、その他人評価が受け入れられないのだろうか。
みんな本心だと思うんだけどな……。
「え……。これがホントの自分だもん。」
俺と目を合わさなかった。
「昔も? ずっと?」
昔もずっと、そうだったのだろうか。
そこまでマイナスになる理由があるのだろうか。
「……。」
花月は質問に答えなかった。俯いたまま、黙ったまま。
「舛里――っ!」
「はーい! 行くね。」
戸山に呼ばれて、花月は行ってしまった。
どうして、あれだけ勉強もできて、運動もできて、友達も沢山いるのに、自分に自信がないのだろうか…?
「なあ、花月――?」
朝、登校してきたばかりの花月に早速声をかけてみた。
「なに? えっと、芦田……?」
突然関わりのない奴から話しかけられたら誰だって驚く。
花月は不思議そうな顔で俺を見てきた。
「そう、芦田光」
「あぁ、昨日こけてた……。」
思い出した、そういう感じだった。
「バカだよね」
「……。」
花月の基本はコレだよな。うん。
いかにも馬鹿にするような言い方だった。
でもこれは挑発しているとかそういうのじゃなくて、ただ単にからかっているだけなので別に腹が立ったりはしない。
昨日のはやっぱ幻覚だったのか……?
いやいや、それを知る為に仲良くなるんじゃねーかっ!
「花月ってどんなやつ?」
単刀直入すぎたかもしれない……。
「は?! え、なにそれ。私に聞く……?」
予想外の言葉に花月は言葉に詰まっていた。
そして言い辛そうに続けた。
「えっと……。こういうの自分で言うの嫌なんだけど……。明るい性格、優しい、面白い、ってみんなは言ってくれるよ。」
「へー。」
周りがそう言うのは納得だな。でも、やっぱりほんとに明るいだけなら絶対、花月は昨日あの場所で俺を馬鹿にしたと思うんだ。
俺がそう考えていると花月が言葉を続けた。
「でもさ、ホントはそうじゃないんだけどなぁ……。」
そう言って花月は参ったように、はははと笑った。
「でも、みんなからそう思われてるってすごいんじゃない?」
「そうなのかな。でも、ホントの私じゃない。」
少し表情を曇らせた。
「じゃあ、ホントの花月は?」
「ホントの私は、弱い。それだけ。」
花月は俯いたまま続ける。
「弱い……?」
「そ。強くなんかない。」
「……。」
花月は、無理して笑っているのか?
いや、でもあの笑いに曇りはないように俺には見える。でも、俺にはそう見えるだけで、それだけ演技力があるってことか?
昨日の儚い笑顔と、花月が弱いって話、なにか接点あるのかな…?
絶対接点あると思う。
「……なんで、そんなマイナスなの?」
そうだ。なんでそんなにマイナス思考なんだろうか。
あれだけ他人評価もいいのに……。
それとも、その他人評価が受け入れられないのだろうか。
みんな本心だと思うんだけどな……。
「え……。これがホントの自分だもん。」
俺と目を合わさなかった。
「昔も? ずっと?」
昔もずっと、そうだったのだろうか。
そこまでマイナスになる理由があるのだろうか。
「……。」
花月は質問に答えなかった。俯いたまま、黙ったまま。
「舛里――っ!」
「はーい! 行くね。」
戸山に呼ばれて、花月は行ってしまった。
どうして、あれだけ勉強もできて、運動もできて、友達も沢山いるのに、自分に自信がないのだろうか…?


