「優、あのね。話そうと思うんだ」
屋上に向かう途中、優に告げた。
「昔のこと?」
優の顔に驚きはなかった。察していたのだろう。
私はうなずく。
「……、そっか」
納得しているようだった。
優も芦田を信用しているのかもしれない。
「分かった。私、離れているね」
「……え」
別に、いてくれてもいいんだけど……。
「2人のほうがいいでしょ?」
どういうこと?!
いや、だから3人でいいってば。
優は笑顔で、私より少し前を歩いている芦田の方へ行った。
「優――!」