――はぁ……。
花月って結構殻に閉じこもってるな。

いろいろ知ってしまうと、今まで見てきたのは自分を守ってるような花月なんじゃないかな。
そう思ってしまう。

花月には何があったんだろう。
俺が知ってどうにかなるわけじゃない。
それでも、俺は知りたい。
こんなのって我侭だろうか――?

俺が自分の席に向こうを踏み出すと、
何かを踏んだ。

――写真 ?

その写真には、お父さん、お母さん、お姉ちゃん、女の子、弟。
仲良く笑ってる家族写真。

この、女の子って、花月――?
多分、花月が小さい時の写真かな?
髪型は違うけど、顔がなんとなくそんな感じだ。
花月って姉弟いたんだ。
花月が笑ってる。今となればレアなんじゃないのか?
できれば欲しい……、いや俺変態か。

とにかくこの写真、花月のものか聞いてみようか。

届けなきゃ、と思ったんだけど予鈴がなり、タイミング悪く、放課後まで花月と話すチャンスが得られなかった。

やっと話しかけられる……。
「おーい、芦田――」
俺が花月に声をかける前に先生に声をかけられた。
「? なんすか、先生」
「お前、今日日直だったろ? 日誌よろしくな」
「――ハイ…」
そう言って日誌を手渡された。
早く書かないと……。
幸い、花月はクラスの女子と話をしてて、まだ帰る素振りをみせない。


カリカリカリカリ……。
――よしっ! 書き終わった!!
花月に目をやると外山と帰ろうとしていた。
……危ない、ギリギリセーフ。