お兄ちゃんはいつも、
私が怒ったり拗ねたりすると
いつも、優しく撫でてくれる。
そんなお兄ちゃんが、
あたしは大好きだった。
「 っていうか、怒ってないし! 」
「 はいはい、そうかそうかー 」
そう言いながら馬鹿にするように
頭を撫で続けるお兄ちゃん。
…子供扱いして。
そんなことを思いながら
お兄ちゃんの顔から目を逸らし
チラ、と身体に目を移す。
「 ……いつ、治るの? 」
「 そろそろじゃねー?
俺は今からでも、
外出出来んだけどな! 」
私は、治りかけてきている
お兄ちゃんの夥しい数の怪我をさすった。
私が不良嫌いなのは、
ーーこの、事件のせい。
