ーーーーーー ーーー ー 忘れもしないその事件は、 私が中3で、 お兄ちゃんが高2の冬の頃。 ーーバタバタバタッ 「 お母さん! 」 「 ……梓 」 私が走り込んできたのは、 307号室という名の… お兄ちゃんの病室。 お母さんは泣き崩れていて、 お父さんはそんなお母さんを 支えてあげながら、 握り拳をつくって震えていた。 「 ど、して……っ 」 お兄ちゃんは、 頭にも、胸にも、腰にも…… ほぼ全部の箇所に、 包帯が巻かれていた。