女side



「…ん…?…どこ?」


ギィ、ギィ、と軋む音が近くで聞こえる

これも足音?

はっきりしない意識で懸命に考えた


私はどうなったのか

手足は縛られている


動かそうとすると朝出てきたロープが皮膚を傷つける

「いったぁ…」

それに加え、手と足は完全に痺れている


と、ロウソクに火が灯った


ポゥッと人の顔が浮かび上がった


「コンバンワ、不法侵入者サン♪」


蒼白の肌にクッキリとした碧眼の瞳

それに綺麗なハニーブラウンの髪


私はその美しさに心が惹かれた

そして、彼に興味が沸いた





でも、今はなんとかロープを外してもらいたい

でも、直球で言っても外してくれなさそうなので回りくどい遣り方で解いてもらおう


「不法侵入者…て、私の事ですか?」

取り敢えずと思って言ってみたが、我ながらお馬鹿な質問をしてしまった


「ドウシテココへ来タノデスカ?」


私の質問はスルーされた


どうやら肯定と言う事なのだろう



「すみません、人が住んでいるとは知らなかったので」

薄暗い部屋の中で私は彼に謝った


彼は何も言わない


コツ…コツ…と、近くのテーブルに蝋燭台を置くと



「家ノ中デ疲レタデショウ、ドーゾオ座リクダサイ」



椅子を差し出されたが手足は固定されていて立つ事すらままならない



それを察したのか彼は私の腕を掴むとぐいっと椅子に座らせた


痛かった



痛くて顔を歪めると彼は


「ゴメンナサイ…」

と、シュンとした顔を近づけた



思わず赤面した顔を逸らしてしまった