【完結】セ・ン・セ・イ

朱莉は2階のメニューを確認すると、「これにする」と意外とあっさりサンドイッチのセットを選んだ。

サイドメニューとデザートを自由に選べるそのセットに、グリーンサラダとマンゴープリンをチョイス。

「コーヒーもいい?」

とわざわざ聞いてきたのは、言わなくても俺が金を出すつもりなのがちゃんと分かっているからか。

別にドリンクを頼もうが構わないが、これだけは言っておく。

「お前んちのコーヒーのが旨いぞ」

目を丸くして、朱莉は肩を竦める。

「……じゃあウーロン茶」

「お好きにどうぞ」

嬉しそうに笑って小さく「ご馳走様」と言った彼女を何故か直視できずに、慌ててメニューに目を逸らした。


ハンバーガーとポテトのセットを頼むと「栄養のバランスが」と文句を言われ、仕方なくサラダを追加したら「食べ過ぎ」と文句を言われ、これが裕也だったら更に唐揚げかナゲットくらい追加しかねないのにと思っても言い返すことも出来ず。

若干疲れた気になりながらもカウンターで受け取ったトレーを手に1階に降りると、木嶋と田澤少年が座る6人掛けのテーブル席に、当の裕也が一緒に着いていた。


「……お前、何してんの」

「いやぁ、早めに来て隼人と木嶋の生徒を拝もうかと思って」

見世物みたいな失礼な言い方にギョッとして朱莉の様子を窺うと、彼女はまたいつの間にか俺の背中に隠れていた。


……ひょっとしてコレ、ただの人見知りか?