【完結】セ・ン・セ・イ

「木嶋の生徒さん、男だったんだな」

「そだよー。なんか今日、Wデートみたいだねぇ?」

木嶋の発言に、朱莉が固まって、田澤少年が豪快に吹き出した。


「木嶋……、今の発言は、組み合わせがどうあれ全員に対して色々失礼だと気付け」

木嶋のとんでも発言にまっとうなツッコみを入れたはずの俺は、

「組み合わせって」

と小さく呟かれた朱莉の声で失態に気付いた。


「おやおや進藤先生、生徒さんもアリですかぁ?」

「……木嶋、マジで発言には気を付けろよ」

いや俺もなんだが。

これ以上生徒の前で醜態晒させてくれるな。


「えー、なんか進藤くん、先生モード?」

やだぁ、と声をあげてカラカラ笑う木嶋に、勘弁してくれと視線を向けるが一向に効果はない。

代わりに横からボソッと聞こえた、低い声は――

「センセーこそ、私の前では猫被ってるんだ?」

うわ何だそれ聞かなかったことにしていいか今の。


朱莉の静かな、だが感情のこもったその一言は、反論の余地のない事実だった。

今の今まで、俺自身がまったく気付いていなかったことだけれど。