【完結】セ・ン・セ・イ

「……ええっ! 進藤くんの生徒、女の子なの?」

フットサルを終え、2、3年生の多くは夜の部――飲み会に流れたが、未だ未成年の俺は自重する。

酒は二十歳まで飲まない、と言ったら嘘だ。

高校の時から学校行事の打ち上げなどで羽目を外したことはある。

飲み会のノリは嫌いじゃないし、酒の味も少しは分かるようになってきた、けど。

それでも積極的に飲みに行こうとしないのは、教師は聖職者であれという自戒が無意識下で働いているからなのかも知れない。


最近はフットサルの後にこのメンツ――裕也や木嶋ら同期の数名と、ファミレスやらファーストフード、喫茶店などに立ち寄ることが多くなっていた。


「え、言ってなかったっけ」

瀬戸朱莉の話をするのは初めてじゃないはずだが、いちいち女子か男子かなんてことまで伝えたかどうかは定かではない。

木嶋が目を丸くして声をあげたので、逆にこっちが驚いた。

「そんなに驚くこと?」

「んー、いや、てゆーより……」

眉間にしわを寄せて木嶋は唸った。

唸りながらも、手元のアイスクリームが溶けない内にとせっせとスプーンを動かす。

「まずいんじゃないー? やっぱ、私も生徒引っ張り出して同行しようかな」

何がマズイのか俺には良く分からなかったが、彼女はまたアイスクリームを一口頬張ってから携帯をいじり出した。

アイスが溶けるまでの時間との闘いと言わんばかりに携帯をせかせかと操る彼女に、マズイの根拠を問いただす隙はなかった。