「お帰りなさいませ、ご主人様」


「ぶっ!!　おまっ何して……！」


「ご主人様、コートをこちらへ」


「馬っ、馬鹿！　今日は俺が執事って話だったろ!?　なんでお前がメイド服着て出迎えてんだよ！」


「……沙織ちゃんがね、朱莉は元々お嬢様だから、それじゃつまんないんじゃないかって言って……」


「木嶋……アイツの差し金か!!」


「気に入らない？　結構似合うと思ったんだけどなぁ、このメイド服。沙織ちゃんも太鼓判押してくれたのに……」


「いや、にあ……ってるけどね、確かに。似合ってるけどね、けどな」


「――っもう！　けどけど何よ!?　はっきり言ってよ、もしかして私イタい？　じ、自分だって執事服着る気満々だったクセに――」


「ち、違うって！　それ選んだの、お前の趣味？　それともアイツ？　つーか絶対木嶋だろ、すっげ悪意を感じる……」


「ええ？　確かに沙織ちゃんが薦めてくれたけど、私も気に入ってこれにしたのに……何が駄目なのよ」


「……ッ、色々強調しすぎなんだよ!!　目のやり場に困んだろうが！」


「やだ、ご主人様ったら正直。良いんですよ、今日は私、隼人様にお仕えするメイドですから……ご命令くだされば、悦んでなんでも致します」


「くっ、その上目遣いには騙されないぞ。なんか裏があるんだろ絶対！」


「ちょっと、そこはノッてよ。沙織ちゃんが言ってたのよ。【セ・ン・セ・イ】本編はサービスシーンがあまりにも少ないから、こういう時くらいはっちゃけて来いって」


「サ、サービス？　はっちゃけ？　何吹き込まれてんだよ……はあーッ、マジか、木嶋の奴!!」


「――ねえ、そんなんだから隼人、読者様に『へたれめっ！』って言われちゃうのよ？　悔しくないの？　私だってたまにはさ、ちょっと強引で俺様なところとか見てみたいなぁ。私のことチョイＳみたく思ってる人もいるみたいだけど、ホントはたまには……ちょ、隼人？」


「ご主人様、だろ？　へえ、知らなかった。朱莉、俺に苛められたいんだ？」


「いじ……や、あの、そういうことじゃ」


「言い訳するんだ？　何だか散々言いたいこと言ってくれたし、これはお仕置きが必要みたいだな」


「も、申し訳ありませんご主人様っあ！」

「おかしいな、お仕置きなのに。悦んでるように見えるけど」

「そんなコト……あ、ご主人様ぁっ！」


















（　自　主　規　制　＼(゜ロ＼)(／ロ゜)／　）