桜が綺麗に咲くこの季節…。
たくさんの場所で、
入学式が行われてる。
そして、私も今日が入学式っ‼︎
学校に馴染めるかなとか、
友達できるかなとか
勉強ついていけるのかなとかいっぱい、いーっぱい悩んで迎えた今日。
私の目に映るのは、
何の悩みもなく真っ直ぐに立ち綺麗な花びらを咲かせている桜…
この桜の様に、真っ直ぐ真っ直ぐ前だけを見て
「頑張ろう」
そんな、独り言を呟いて門をくぐる。
クラス表を貰い、ドキドキしながら名前を探す…あ、あった!2組だ!と
無意識に探してしまう彼の名前。
彼の名前を見つけ、自分の名前を探す。
高城…高城…あ!!
少し顔がにやけながら、2組の教室に向かう。
あ、もうグループ決まっちゃってる…。と、とりあえず自分の席はーっと…
「初めましてっ、立花嘉音です‼︎よろしくねっ」
初めて話しかけてきてくれた立花さんがあまりにもキラキラしてて
つい見惚れてしまった…。
「ね、ちょっ、きーてる?」
「えっ、あ、ごめんごめん‼︎えーっと、立花さん!よろしくね。私は高城美咲」
うわー、緊張したぁ…。でも、本当に笑顔が可愛くてキラキラしてる。
「えー、立花さんとかやめてよー‼︎嘉音でいいよ!嘉音!!だから、美咲って呼んでいー?」
「うん!」
その後、入学式が始まるまでずっと嘉音と話してた。
今までとは違う、未知の世界。
未来なんて分からないけど、きっと
キラキラしてて、宝石みたいですごく充実した日々が待ってるのだろう…!
入学式も終わり、初めて見る先生何かを話してるのを適当に聞き流し…
私は、頬杖をつき斜め前の席を見ながら小さく溜息をつく…。
入学式が始まる前…
「ねっ、何か廊下騒がしくない?何かあんのかなぁ?」
「本当だ。なんか騒がしいね」
嘉音に言われ、廊下の方に目をやると…
なんと言えばいいのか、
まぁ、マニアックな例え方で言えば、女の子達の目がハートになってる。
「あ、そーいや!うちのクラスの…んーっとえー…」
「ん?」
何かを思い出そうとしてる嘉音。
「あ!!!!」
急に大きな声出すから、思わず肩がビクッとなった…
「あ、ごめんごめん。ここくる前、すれ違った時聞こえたんだよね〜、噂のイケメン君♡のこと」
適当に謝られ…ん?え、
「イケメン君!?」
て、おいおいそこ反応しすぎだろ!と、自分で自分に突っ込んでしまった。
「食いつくねぇ〜」
顔が少し熱くなるのを感じ、そんな自分を悟られないように聞いた。
「で、噂のイケメン君て?どゆこと?」
「ちょー、イケメンがいるらしくて、その人の名前が…有馬唯人!」
ドッキーンと自分でもビックリするぐらい、固まってしまうのを感じつつ
「あー、有馬唯人ね」
我ながら、平然を装うのに精一杯で…棒読みになってしまった。
「え、知ってんの?てか、来た!」
後ろを見てもないのに、背中に全神経が集まり、ドキドキ胸がなる。
「あ、高城。久しぶり」
「ひっ久しぶり〜やー、げ、元気してたー?私なんかもー元気すぎてー」
うぅ、何このテンパりよう…
恥ずかしくて穴があったらそっこー入りたい。
「ちょ、美咲!大丈夫?顔が真っ赤」
「相変わらず変な奴!てか、髪切った?」
笑いながら言う、"変な奴!"何度も言われてるのに顔がにやけるし
髪切った事に気付いてくれるのが嬉しくてたまらない。
「え、あ、うん。よく気付いたねー」
「うん、よく見てたからお前の事」
真っ直ぐ私の顔みながら、真剣に言ってくる。
いつもの嘘とわかってながらも…
顔がどんどんと熱くなり
鏡を見なくても分かった
顔が真っ赤になってることを…
このままじゃ、ヤバイ!!
「ちょ、私トイレ行ってくる!」
はぁ…もうムリー。緊張し過ぎて死ぬかと思ったぁ…
でも、やっぱり変わらない笑った顔とかいじってくる顔とか…もう、好き!
"好き!"
何回伝えようとしたんだろう…
ぼーっとしてると、後ろの席から肩を叩かれ
「美咲っ美咲っ、有馬君と知り合いなの?」
「うん、まぁ…同中だった。」
「え、嘘!!だから、なかいーんだ!
てか、もしや付き合ってるとか⁉︎」
「ないない!だって有馬は……」
有馬は…
♪〜キーンコーン カーンコーン〜♪
「はい、じゃあ気をつけて帰れよっ!明日は身体測定だからな。」
有馬との進展は当たり前だけど…
ないまま帰路につく。
