最初で最後のセレナーデ





——少女は目覚まし時計に手を伸ばす。


針を回し、回し、
また、何周も回す。
世界を動かす様に。
心を壊した、人形の様に。

口元に薄く浮かべた笑みはこの世の全てを魅了する程妖しく映る。


ぬいぐるみも、
人形も、絵本も、
踊り出す。

楽しげに。愉しげに。



もっともっとと、

求め続けて。